突然ですが、暗号屋 DAO はじめます。
先日暗号屋で半期ごとにやっている暗号屋総会を行いました。総会という文化は前々職のサイバーエージェントでやっていたものを参考にしていて、そこでは社長による半期振り返り、これからの話とスローガン発表、投票と懇親パーティがありました。
総会という文化は斜に構えていた新卒の頃は宗教っぽいしめんどくさいと思っていたのですが、毎回出るたびにその考えは変わって今では会社から従業員への感謝を伝える良い文化の一部なのだと感じて真似しています。
その中でも表彰をするときに新人賞だったりベストエンジニア賞だったり、名前の意味わからないけど最優秀暗号屋賞という会社全体を通して一番活躍した人に贈るものを用意してみたりしました。そしてその授与の前にちょっと会社の体制について色々話した時のスライドを中心に紹介します。
web3 の王道を征く
ブロックチェーンの本質は fat protocols にあると思っています。これは時代が変わり言い方を変えて web3 protocols をつくるみたいな言い方に変えてますが、暗号屋ではこの fat protocols を社会実装していく会社として位置付けています。
fat protocols というのは今までのウェブでは http のような薄いプロトコルの上に厚いアプリケーションが乗り、企業がそれを運用することがほとんどでした。Blockchain の登場によりそれが逆転し、価値は共有プロトコル層に集中しそのバリューの一部だけがアプリケーションに分配されます。
暗号屋ミッションの「ブロックチェーンが拓く新しい経済活動を社会実装する」というものは言い換えると「 DAO を社会実装する」とも言えます。それはこの fat protocols を実装し続けていくことで実現できるものだと信じています。そして既存のhttpなどの protocol のように、protocols は非中央集権的に運用されるべきで、自律分散型組織と言われる DAO は protocols 運用と非常に相性が良く、fat protocols も同様に DAO で運用されるべきです。
株式会社のバグ
DAO は暗号屋にとってミッション・ビジョン達成のための重要な組織形態です。その一方でスタートアップがよく使う株式会社という組織がありますが、これにはバグがあると考えています。株式会社では必ずしもそうではないですが、投資家と経営者の間で株式を持つことによる組織の “所有” と “経営” が分離することがあります。さらにその会社のユーザーは一方的にサービスを受け取ることがほとんどであり、ただのお客様であることが多かったと思います。
一方 DAO はユーザー・運営・投資家がトークンなどを通じて混ざり、同じビジョンを目指してコミュニティを成長させていくものだと思っています。その中心には fat protocols があり、その共通言語を社会に広く便利に使えるような組織形態になっていく必要があります。
暗号屋が社会実装を目指している DAO はそういう定義のもので、暗号屋が合同会社(LLC)を採用する時に非常に参考になった尊敬している合同会社DMM.comとの比較だとこんな図をイメージしています。
合同会社DMM.comの下にたくさん子会社がぶら下がり、明確な上下関係がある状態に対し(認識違ったらすみません…)、暗号屋は「合同会社暗号屋が新たなDAOを創る、もしくはたくさん関わっていく、相互に関わる」という関係を目指していきます。
暗号屋は新しいインターネットの時代を創るためのLLC(合同会社)であり、DAOを生み出していくための母体を目指しています。よく聞かれるんですがなぜ暗号屋を株式会社にしないかというと、暗号屋から生まれるDAOに暗号屋に含まれる投資家の意図が組み込まれてしまうとシンプルでなくなってしまう状況を嫌っての判断です。(その分トークンファイナンスで従業員への報酬を用意したいと思っています)
組織とDAO
暗号屋はその組織ビジョンから、組織形態を DAO にしようと目指していましたが法人(組織)とDAOは似て非なるものであると感じていました。
Aragonのページにあるよく比較で使われる Organization vs DAO の図がありますが、これをみても組織は厳しく、階級的、必ずしも透明性はなく、招待制、全てがグローバルではないというもの。DAOはゆるく、大衆的、透明性があり、オープンでグローバルだと定義しています。以前Twitterで思ったことを書いたのですが、こんなことを言っています。
法人のいいところを持ちつつ、DAO的な要素を目指すとただの怠惰な法人になって会社をやるメリットが薄くなっていきます。なので法人の良いところとして若手を育てる母体としても良いし、「ちゃんとした」開発体制がOSS(オープンソースソフトウェア)に対して向けることができればそのOSS開発チームからすればとてもポジティブだと考えられます。
DAOのprotocols開発はOSSで行われることがほとんどですが、そこにまとまったチームが開発に参画するイメージはこんな感じです。
暗号屋がDAOに開発参画を表明することで、DAO自体の価値が上がる技術投資ができる技術ファンドのようなものを目指しています。暗号屋Foundationというのも酒を飲んでるときに考えていたりはします。
BANKLESS DAO
そこでBANKLESS DAOというweb3メディアの組織体制を思い出しました。BANKLESSというメディアはBANKLESS LLC(合同会社)が運用していて、その記事は BANKLESS DAO というDAOのメンバーが書き、その原稿料はLLCからDAOに支払われるという関係になっているそうです。(ざっくりなので違ったらすみません)
あたらしい経済というメディア編集長、幻冬舎の設楽さんとお話ししたときに非常に印象的だったのが「メディアには編集長が必要」というものでした。雑誌でもなんでも、広く雑多な情報よりも一つの中央集権な編集があってメディアが成り立つ。そう考えるとBANKLESS LLC と DAO は中央と非中央のバランスが非常に良い。2chまとめと2chそのまま読むときにどちらが面白く読みやすいかみたいな圧倒的な違いがある(古いか)。
暗号屋 DAO 爆誕
というわけで暗号屋 DAO の隠しサイトへの入り口を会社のウェブサイトに実装してみました。(ある方法で以下のページが見れます。見つけた人は報告してください^^)
暗号屋 DAO は、暗号屋 NFT を持つものだけが入れるコミュニティを目指していこうと思っています。
暗号屋の掲げる「新しいインターネットの時代を創る」というビジョンをLLCとDAOで表裏一体的な感じで目指していこうと思います。NFTは暗号屋のビジョンに共感してくれる社内外の人に付与していこうと思っています。それはDAOメンバー内でも決めていきます。
例えば暗号屋で作っているDAOの一つ、VWBLの名付けとロゴデザインをプロトコルに共感して無償で行なってくれたWhateverのカワムラマサシさんなどには進呈したいと思っていたり、社内外関係なく、暗号屋の目指すビジョンを達成するために個人の力を持ってコミットしてくれる人でオープンにやりたいと思っています。
その第一弾のNFT付与条件として、今回の「暗号屋総会での表彰者」というDAOメンバーにふさわしい方達を迎えることができました。
総会に間に合せで突貫で作ったサイトの入り口だったりする(まだモバイルでのバグある)のと、DAOログイン後に実装しようと思っているフォーラムが工事中だったりするのですが、暗号屋の新しい組織形態としてLLCとDAOの両軸でビジョンの達成を目指していこうと思っています。
長くなりましたが新しい暗号屋の挑戦を支援していただけると嬉しいです。また、暗号屋ではエンジニア・BizDev・人事を大々的に募集しております!自薦はもちろんウェルカムですが、「こんな面白い会社があったよ〜」などお知り合いに紹介していただけると幸いです!!!!!!