渡辺創太問題の解決とトークン市場の再興
ここ最近、トークンを仮想通貨取引所に上場させて資金調達をするIEOのニュースがちらほらと出るようになりました。と言うのも日本における新しいルールの流れをしっかりと掴んだ方々が仕込んでいた情報が少しずつ出始めているからだと思っています。実際にIEOに関するルールメイクはすでに完了して何件か実施されており、トークン上場を目指した相談が弊社にもポツリポツリと来るようになりました。
と言うのも日本における通称「渡辺創太問題」と言う、市場規模1兆を超える様な企業がトークン調達の過剰な規制等によって日本から生まれなくなっていると言う課題がありそれが邪魔をしていましたが、日本のweb3を牽引する創太くんと自民党の平先生をはじめとしたweb3 PTなどがこの問題の解決に向けてルールメイクをしており、課題解決に向かって順調に法整備が進んでいます。
まずは第3者が発行するトークンの期末評価課税という、会社の期末に保持しているトークンを含み益に対し(売っていないのに)評価額で課税する悪しき税制が改正されることになったり、今後は合同会社型DAOでトークンを発行・調達する母体とし、LPSによるトークンへの出資が認められる動きもあり( https://coinpost.jp/?p=511133 )、合法的に合同会社型DAOを作ってトークンを使ってVCから調達して、取引所に上場し個人投資家からも調達出来るようになりました。これなんて株式市場?というくらいの進化なわけですが、このような動きがトークン発行のニュースにつながっている訳です。昔の悪しきICOブームで閉ざされてしまったトークンを使った資金調達が健全な形で復活を遂げようとしています。
株式市場の再発明
株式市場は上場審査が非常に厳しく、信用のある厳格な市場として広く浸透しているのは言うまでもありません。これに対して今日本で生まれようとしているトークン市場は発行・調達が単純化され、ブロックチェーン上でのグローバルな調達が可能になっていたりと手軽さの面で大きなメリットがあります。とはいえ現実的には国内の上場は意外と厳しくまだまだ整備の余地があると聞いていますし、トークンの信頼度で言うとピンキリであると言うのが正直なところです。
これについては昔の株式市場を描いた映画「ウルフオブウォールストリート」みたいなもので、電話で株式を売って相場操縦したりとやんちゃな輩が蔓延っていた時代を彷彿とさせるというか、株式市場ですら昔はそうだったと思えばトークン市場はまだまだ黎明期であり、これからの成長に期待もできるのではないでしょうか。
TV vs YouTube のような構図が出来ようとしている
この「上場しにくい信用のある厳格なプラットフォーム」 vs 「上場は簡単だけど信用は低い自由なプラットフォーム」の構図、TV vs YouTube の構図にとても似ているんです。TVは地上波だ全国放送だとそこに出ることに価値が高く、誰もがでれるプラットフォームではありません。一方でYouTubeは言わずもがな、誰でも発信が可能です。そして今ではTVを見ている人より、YouTubeを見ている若い人の方が多いのではないでしょうか?またYouTuberがTVに出演したり、このような逆転現象が起きていますがそれぞれにメリットデメリットがあり今ではうまく共存したものになっています。
何が言いたいかというと、トークン市場も共存可能で十分魅力的な新しい選択肢となりうるのではないかと言うことです。株式の上場ほどのコストがかからず、資金調達ができるプラットフォームとして法整備されている現状は海外から見たら煩雑ですが、FTX事件の時に明らかになった米国のザル制度に比べたら喜ばしいことだと評価したいです。実際に上場している株式会社がプロジェクトごとにトークンを発行し法人を作って(作らない場合も)資金調達するような事例が出来ようとしていますし、株式とトークンの二重調達などポジティブな新しい選択肢として見られているように思えます。
まとめ
このようにトークン市場は株式市場の再発明の様なポジティブな見方ができる一方で、まだまだ黎明期特有の胡散臭さやリスクを感じる部分が見られますが、厳格 vs 自由という構図から見ると新しい選択肢として見てやってもいいんだからね!くらいには思えたのではないでしょうか?
単純にDXされた株式市場としても魅力的です。取引所間であってもブロックチェーン上のトークンをやり取りすることは透明性も高く、データの取引のし易さは比べものになりません。ブロックチェーンという共通基盤から生まれるアセットなので当然ですね。これにより、FXなどで盛んなbotトレードや、DeFiでの運用など、購入したトークンの運用に対する汎用性も断然高いです。
DEXでは当たり前ですが、暗号屋も中央集権取引所(CEX)で使えるオートマーケットメーカー(AMM)サービスのChojaを提供し、資産の流動性を個人投資家が分散して行うというシステムでIEO銘柄の流動性不足問題解決などに取り組んでいます。この「個人が分散して流動性供給をする」というカルチャー自体はIEOに限った話ではなく、その他流動性が必要なオーダーブックや株式市場のIPOなどでも活用できると思っています。こういった新しい分散型流動性供給の様なカルチャーが生まれるのもトークン市場ならではなのではないでしょうか。
これはCMですが、Chojaを使うことでトークンプロジェクトはマーケットメーカー事業者に資金を預けることなく流動性ができ、健全な市場を作ることができます。とはいえ初期の流動性が必要だという方向けに、最近暗号屋では昔紫竹がCTOとして取引所運営時にやっていたマーケットメーク事業を再開し、AMMと組み合わせたプランを提供中です!AMMに流動性を作ってもらい、事業者として提供する流動性と予算を徐々に減らしていこうというコンセプトでやっています。
といってもトークンどうやって作ったらいいの?というトークンエコノミクスの構築だったり、Choja AMM, 暗号屋マーケットメークサービスご利用に興味ある方はぜひ暗号屋にご連絡ください!エンジニアも募集しております!!